2008年06月03日
高校の恩師の話
高校の時の国語教師は、夏休みに、レポート用の課題図書だと言って、
一人に一冊、立花隆の『青春漂流』という文庫本を配った。内容はいろいろな道の達人が、その生き様を語るもの。進路選択を前に、先生からの応援の意味もあったのだろう。当時はポケットマネーか?と思ったが、課題図書という名目もあるし、なにしろ100人単位なのだし、公費か、教材費負担だったのだろう(推測)それにしたって、ひとり1冊与えるというのはインパクトがあり、心に残っている。先生は、いつも、「本を読め。」といった。目的や、理由は言わなかった。「とにかく、読め」と。授業中も折に触れ、良書の紹介をし、まじめな私は、メモった。カミュの『異邦人』石川啄木の『雲は天才である』など、高校生自らでは選ばないような古典や、マイナーなものも多かった。読んでもおもしろいと思えないものも多かったが、見つけて、読む。という行為がとても楽しく次々といろいろな本に手を伸ばした。
他にも高校ではいろいろな個性的な先生に教えを受けた。それぞれに趣味や研究対象があり、その道の求道者であった。熱くて、うるさいなと思うこともしばしばだったが、そのような生き方をじかに見せてくれたこと自体が立派な進路指導ではなかったかと今になって思う。
勉強ができることに越したことはないが、何のために生きるのか?何をしてうれしい自分があるのかがはっきりしていないと、勉強なんて出来ても仕方がないのだ。先生の「本を読め」は「自分の道を見つけてただまっすぐいきなさい」そういうメッセージだったのだと今は理解している。
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